内山ふみの日々  ヴァイオリンと一緒に

ヴァイオリニスト、二児の母の日々。

2020年、弾き納め

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本日、無事弾き納めをして参りました。
例年は家族や親戚もジルベスターを聴きに来ていて、そのままホール近くの親戚の家に泊まり、大勢で新年を迎えることが多かったのですが、今年は家族は家で生配信を視聴。お正月も親戚では集まることもなく、私はジルベスターを終えて帰宅し、ギリギリ年越し蕎麦を頂きました。
 
コロナの影響で、世界が変わってしまった2020年。
指定感染症医療機関に勤務する主人、張り詰めた現場の中で本当に大変な一年だったと思います。
緊急事態宣言中、現場の院内感染を経験し、家族四人発熱をし、自宅待機で過ごした期間がありました。思い出すと今でも涙が出そうです。不調と不安で押し潰れそうな時、毎日玄関前まで食材やご飯を届けてくれた両親には本当に感謝です。
主人は激務の中、私はお仕事が激減し、かつてないワンオペ育児の年となりました。心のバランスを失って下を向いていた時期もありましたが、子供達とたくさんの時間を一緒に過ごせたことは本当に良かったです。我が家のテレビでは、今年の大流行に乗ることなく、アンパンマンの映画が大ブーム。数あるアンパンマンの映画を全て観切った息子達です。
純朴な物語は、子供達だけでなく滅入った私の心にも優しいメッセージを与えてくれました。
不気味な感染症への疑いと恐怖、仕事を失った喪失感と外に出られない閉塞感、自信を失った自分に、愛と勇気の物語が力を与えてくれ、私達の毎日は救われました。
 
息子は6月から学校が再開し、新一年生として学校生活が始まりました。制限が多く、イベントも開催されない学校生活、軌道に乗るまでに時間ががかりましたが、今では自分らしさを失うことなく、居場所を見つけて楽しく過ごせるようになった息子をとても逞しく思います。
 
家に長くいる時間が増えたことから、今年は息子達の知らなかった沢山の心の側面を見ることができました。最近では、仕事でママがいないという寂しさも薄れ「え!!ママ今日はバイオリン?!がんばれ、がんばれー!!」と応援を言葉にしてくれます。
辛抱の時期が続き、もう演奏からは離れてしまうのではないかと思うこともありましたが、音楽は苦しい時ほど深く身体に染み入り、気持ちに寄り添い、慰め、励まし、奮い立つ力を与えてくれました。
数少ない舞台でしたが、生きた音楽に触れることが生き甲斐になったことに間違いはありません。
参加させて頂いた一つ一つのお仕事の重みを、心から感じています。お世話になった方々、本当にありがとうございました。
 
長く続く辛抱の時間。
早く有効な手段が見つかり、平和な世界が戻りますように。
 
皆様、良いお年をお迎えください。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。